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2010年1月23日、オゼットクリエイティブオフィスにて、
座談会『先輩からのメッセージ。人生何をするか?』の第三回を行いました。
今回のゲストは、プロテニスプレーヤーの杉山記一さん。
学生時代からテニスプレーヤーとして活躍し、早稲田大学卒業後、
プロに転向して以降も2004年ジャパンテニスツアーシングルス優勝、
数々のサテライト、フューチャーズにて優勝・準優勝など、
華々しい成績を収めていらっしゃいました
(最高位:JOP5位、ATP日本ランキング3位)。

現在はNPO法人「マナーキッズプロジェクト」にて、
テニスを通じた子供の教育活動にも
携わっていらっしゃいます。

会中では、杉山さん自身がナイジェリア遠征を通して
「これからは世の中のために生きていこう」と強く心に誓った経験に始まり、
一人ひとりが「自分が社会に対して今できることは何だろうか」ということを
考えることの重要性を、
プロスポーツ選手としての視点を交えながら語っていただいた。

<当日詳細>
16:00より開始。
これまで世界30カ国へ遠征してきたという杉山さん。
ナイジェリアでの遠征生活の中で、
貧困によって身体の一部を欠損させて物乞いする子供達、
死体が当たり前に放置されているストリートなど、
数々の衝撃的な光景を眼にしたそうです。

それに引きかえ、自分がいかに贅沢な暮らしをしているか、
傲慢に生きているかという自責の念に駆られるとともに、
それ以来自分の生きている意味を考え始めたそうです。
「30歳までは自分のためだけに生きてきたから、これからは世の中のために生きよう」
そう心に強く誓ったそうです。
自分が何かしなければと思い、帰国後ボランティアにも取り組みつつも、
胸の違和感は消えなかったそうです。
悩み続ける日々を送り続けていたあるとき、とある世界的権威の学者が、
「自分が何のために生きているかを、知るために私は生きている。」と
杉山さんに伝えたそうです。
「自分は何のために生きているかまだ分からない。
でも今自分にできることをやればいい。」と気付いたとのことでした。

「杉山さん自身はこの先どうありたいか」という質問に対しては、
杉山さんは日本のプロスポーツ選手の価値を上げることと、
日本の優秀な子供達が世界へ羽ばたいていけるような架け橋になることをしたい、
と答えていただきました。
前者については、
「海外のプロスポーツ選手は、
他の人が持っていない能力に対して与えてもらった援助を、
いかに社会へ還元していくかということをいつも考え続ける。
能力ある子供達はそのような教育をしっかり受けている。
日本のプロスポーツ選手とそこが違う。」と指摘されました。
後者については、「日本のスポーツ界には、いい指導者がいない。
『なりたい自分』を思い描く子供達が、
世界で活躍していけるようにサポートしたい」とおっしゃっていました。

ここで、参加者の一人から、
「僕は社会のためとかどうとか意識しなくても、
自分がやりたいと思うことをすれば、
往々にして事後的に社会のためになるのではないかと思う。
5年後10年後の目的を思い描かなければならないわけではないはず」という意見が出た。
杉山さんは、「自分が意図しなくとも誰かのためになることはある。
でもちょっとでも『誰かのために』を考える時間があると、
その後の人生は大きく違ってくる」とした。
また、「今は等身大でできることをこつこつやっていきたい」とする杉山さんに対し、
「プロは金をある程度しっかり稼がなきゃいけない。稼いだ上で、
どう責任を持って使うかということが重要。
単なる金儲けの似非の『社会貢献』を排除していくことも、
杉山さんだからこそできることではないだろうか。」という指摘も挙がった。

最後に、「僕はスポーツの世界にいたからこそ、
ピュアに生きて来られた部分もある。
社会に出ると、僕が歩んできた世界にはなかった、
ドロドロとしたものに出くわすはず。
それでもなお、自分が結局何をしたいのか、
何のためにという目的を忘れてはいけない。」
と杉山さんはおっしゃっていました。

全ての人が、杉山さんのような才能を持っているわけではなく、
スポーツを通して誰かを幸せにできるとは限らないし、
反対に、全ての人がドロドロとしたしがらみの中を
行かなければならないわけでもないでしょう。
だからこそ、他でもなく今の自分に何ができるかということを
真剣に探す必要があるでしょう。
海外の何千人何万人を幸せにすることに限らず、
自分が普段接する人を幸せにするということも、立派な社会貢献。
それが自分の人生を彩るものなのではないでしょうか。
みなさんは、どう考えるでしょうか。

BY くりくら。 2010年02月02日 20:23

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